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このページではphpで使うことができるincludeの機能と解説をしています。
include
includeはphpの制御構造の1つ。この制御構造はifやwhileなど、結構な頻度で目にするものが多く分類されています。includeは指定したファイルを読み込む機能を持っています。基本的な書き方は以下の通りです。
include('ファイルパス')
ファイルパスに読み込みたいファイルを指定するわけですが、このサイトではmacOS向けの解説しか出来ないのでmacないしUnix系での書き方を解説します。
ファイルパス(相対参照)
includeで必要になるファイルパスですが、UnixやLinux系は/から始まります。WindowsとかだとC:みたいな始まり方ですが、Unix系は/から始まります。そしてmacOSもベースはUnix系なので同じように/から始まります。
例えば「現在実行しているphpファイルと同じ場所にあるファイルを読み込む」場合は
include('./B.php')
のように書きます。カレントディレクトリと言って、以下のような場合にこの書き方が使えます。
この場合は、フォルダAの中にA.phpとB.phpの2つのファイルがあります。そしてAでincludeを使って同フォルダ内にあるBを呼び出す書き方をしました。しかしフォルダBにあるB.phpに関しては別のディレクトリとなるため、呼び出すことはできません。このように「現在のディレクトリを基準にファイルを探す」ことを相対参照(そうたいさんしょう)と言います。
ファイルパス(絶対参照)
続いては完全なアドレスを指定してファイルを特定する、絶対参照。こちらは相対参照とは違い、現在のファイルがどこで呼び出したいファイルがどこにあろうとも、関係ありません。相対参照は./のように書くことで「現在フォルダ」を表していましたが、絶対参照にはそのような便利ワードはありません。つまり完全なファイルパスを書くだけです。
Aで行うincludeに注目してみると、カレントディレクトリで使っていた./ではなく普通のから始まっているのが分かります。これは上でも軽く触れましたが、Unix系のファイルパスがこのように始まるからです。WindowsだとC:などがスタートになります。
ファイルパスの注意点
ファイルパスは絶対でも相対でもどちらでも構いません。使いやすい方を使えばいいだけの話なんですが、それぞれのメリットとデメリットについても把握しておくといいかもしれません。
相対参照のメリットはなんと言っても記述のお手軽さ。./と書き始めるだけで実行中のファイルと同じフォルダ内を自動で探してくれるし、ファイルパスの書き間違いによるエラーとかそういうのも無くなります。その反面、ファイルの位置を変更したら当然読み取れなくなるのでそこだけ注意しましょう。
絶対参照のメリットは相対参照の逆で、完全なファイルパスを指定していることからリンクエラーなどにすぐ気づける点ですかね。相対はファイルを自動で探してくれますが、絶対の場合はそこに確実にファイルがある前提で呼び出しに行っているので無ければ即エラーです。
macOSでの絶対参照の書き方
macOSでの絶対参照の書き方は少し癖があるので注意しましょう。基本的には以下のように書きます。
/Users/ユーザー名/フォルダ/ファイル.php
人それぞれで保存環境などが違うとは思いますが、このように書きます。書類とかは内部的にはDocumentsになっているとか、そういうこともあるので便利な方法を紹介します。
Finderの場合はメニューバーの表示をクリックし、パスバーを表示をクリック。目的のファイルを保存しているフォルダを開き、画面下部のパスバーで右クリックし、○○のパス名をコピーをクリック。
このようにすることで自動でフルパスを取得できます。
Path Finderを使っている方は対象のファイルを右クリックし、パスをコピー→Unixかターミナルのどちらかをクリック。UNIXでもターミナルでも取得できるパスは基本的には同じです。
includeの戻り値と変数
includeには実は戻り値があります。ファイルの読み込みに成功したら1を返すようになっています。そして変数はインクルードしたファイルの物を引き継ぎます。
読み込む側のA.phpと、読み込まれる側のB.phpという2つのファイルがあり、Aの内容が以下。
include('./B.php)';
echo $b;
一方のB.phpの内容が以下。
$b=2;
結果はというと、Bの$bの内容が出力されます。Aには$bなんて変数は存在しませんが、$bが存在するB.phpをインクルードした時点でAにも$bがある扱いになっているわけです。
includeとreturn
includeとreturnの関係についても軽くおさらいしておきます。returnは「その時点で処理を終了して値を返す」という機能です。詳しくはreturnの解説ページにて書いています。そちらとは少し違った内容ですが、言いたいことは同じです。
//A.php
include('./B.php');
echo $b;
そして
//B.php
return;
$b = 2;
こうするとどうなるかというと、includeした時点でreturnを踏んでいるのでB.phpでの処理が終わり、再びA.phpに制御が戻ってきます。結果、echo $bで出力するはずの$bがAで宣言されていない扱いになるので、Warningが表示されます。
php以外の読み込み
includeはファイルなら色々なものが読み込めます。その一例です。
.txt(テキストファイル)
なおcssファイルも普通に読み込めますが、その中身をテキストとして表示するのみとなります。画像はそもそもhtmlで読み込むタグがあるのでそちらを使うのが適切です。あくまでincludeはhtmlで読み込めない物を読み込むときに使うって認識の方がいいと思います。
まとめ
includeはphpの処理の中で別のphpファイルを読み込むときに使えます。classやfunctionなど、色々な物を引き継ぐことができるので処理を小分けにファイル化していたとしても、その都度呼び出して使うことができます。
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