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このページではphpで使えるarray_chunkを使って配列を指定した数に分割する方法の解説をしています。
array_chunk
array_chunkは配列に対して使う事ができる関数です。この関数は配列を指定した数で分割する事ができます。
array_chunk(配列,数,添字設定);
- 配列
- 分割したい配列を指定します。
- 数
- 分割後の各配列に入れる要素の上限数を設定します。
- 添字設定
- 有効にすると添字を維持したままにします。デフォルトでは無効になっています。
例えば以下のように行なった場合、
$a = [1,2,3,4,5,6];
array_chunk($a,3);
この場合、「$aを3こずつ分割し、新たに配列を作る」という処理になります。これの実行結果をvar_dumpで確認するとこうなります。
最初は$aという1つの大きな配列の中に6個の数字が入っていましたが、chunkを使うと$aの中にさらに配列が2個でき、その中に数字が最大3個まで入っている配列が出来上がっています。
今回はキリ良く分割できましたが、一番最後の配列のみ中途半端な数になることもあり得ます。その場合はエラーとはならず、そのまま配列が生成されます。
この場合は4で分割しましたが、二つ目の配列はそもそも数が足りていないので、残った数を全て入れています。
添字設定
array_chunkでは添字を維持するかどうかの設定ができます。通常は添字はリセットされ、それぞれの配列ごとに新たに振り分けます。なので分割後の配列の扱い方は以下のようになります。
$a=[1,2,3,4,5];
$b = array_chunk($a,2);
echo $b[1][0];
この場合は分割後の配列が入っている$bの0番目の0番目を指定しているので3が出力されます。次に添字設定を有効にした場合どうなるかと言いますと
$a = [1,2,3,4,5];
$b = array_chunk($a,2,true);
echo $b[1][0]; //エラー
echo $b[1][2]; //3
同じように3を出力したい場合でも、上の指定方法だとエラーとなります。逆にその下の指定方法であれば、3が出力されます。これは添字設定がtrueになっているのが理由なんですが、これは「元々の配列で割り当てられているキーをそのまま維持する」という機能だからです。
$aの配列で割り当てられているキーは左から順番に01234です。そして添字設定を無効にした場合、各配列で新たに添字が割り振られます。そのため$aの中にまず0番目の配列と1番目の配列ができます。そして0番目の配列の中には数字が2つ、0番目と1番目があります。1番目の配列も同様に、2つの数字に対してキーが割り当てられます。
しかし添字設定を有効にした場合、$aで使われていたキーをそのまま使用します。なので$aの中に配列がどれだけ生成されても、$aのキーを使えばOKということになります。ただしあくまでそれぞれの値のキーが変わっていないだけであって、配列の位置を指定する必要はあります。なのでecho $b[2]とした場合は「$bの2番目の配列を指定」という意味になるので警告が出ます。ちゃんと配列→値の順番に指定しましょう。
関数で便利に使う
ここからはおまけです。functionを使って、少しだけ便利に使ってみましょう。通常、分割したい配列と分割する数字をセットでchunk関数に渡す必要があります。素数以外であれば2か3で綺麗に割り切れるため、そんな感じの関数を作ってみました。
function arrSplit($arr) {
$c = count($arr);
for ($i=2;$i<$c;$i++) {
$d = $c%$i;
if ($d == 0) {
break;
}
}
$ac = array_chunk($arr,$i);
return $ac;
}
この関数は「配列の中の数を調べて、その数がちょうど割り切れる数でarray_chunkを実行して返す」というものになります。出番があるかどうかはわからない上に、素数(11や17など)になると分割できないので配列をそのまま返すという処理を行なってしまいますが、ひとまずこのように扱うこともできますよっていう紹介です。実際に使うとこうなります。
配列の中身は9個なので、3こずつに分割した配列が生成されています。どこで使うんでしょうかね。
まとめ
array_chunkは配列を指定した数に分割し、新たな配列を作る関数です。使う場面はそんなに多く無いと思いますが、いざという時のために使い方を覚えていきたいですね。
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